



第15回
日本ブリーフセラピー協会
学術会議
2023年9月30日(土)〜10月1日(日)
於 京都テルサ
2023年9月6日(水)〜10月31日(火)
Web大会
最新情報
お知らせ
2023.11.1
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はじめに
ブリーフセラピーに関心をお持ちの皆さま。
学会発表、ケース検討の準備において、「このケースはブリーフセラピーらしくできたから発表できるな」「このケースは100回もやっているから発表できないな」といった発想でケースを選んだ経験はないでしょうか。ブリーフセラピーの学会なのだから、ブリーフセラピーらしくないことは語ってはいけないという雰囲気を感じたことはないでしょうか。
本大会では、ブリーフセラピーの多様性とその広範囲な適応性に焦点を当てたいと考えています。「あれかこれか、ではなく、あれもこれも」と表現されるように、全てのコンテンツを説明原理として捉える相対主義的な視座、どのようなコンテンツであれ問題解決に有用なコンテクストがつくれれば採用するという徹底した実用主義的態度こそブリーフセラピーを特徴づけるものです。特定の方法論、技法論といったコンテンツに拘泥することがブリーフセラピーなのではありません。むしろ具体論、方法論としてブリーフセラピーは本来自由であり、精神分析、認知行動療法、PCAといった代表的心理療法のみならず、EMDR等の特定技法や、オープンダイアローグ、トラウマインフォームドケアといった治療構造論や支援思想においても、矛盾や対立を生むものではなく、その具体論をブリーフセラピーの認識論の中に内包することができるものです。
参加者の皆様には、何年も何百回も面接をおこなったような長期的なケース、他流派が行うようなアプローチが奏功したケースなど、一見ブリーフセラピーらしくないと思われがちなケースの事例発表も期待します。短期性や介入のユニークさといった見えやすい特徴にとらわれずに、また「どの療法・アプローチが優れているか」「ブリーフセラピーならこうする」といったコンテンツ主義に陥らずに、コンテクストを見立てるというその柔軟な認識論を理解し、ブリーフセラピーの多様性を再認識する機会となることを願っています。
日本ブリーフセラピー協会第15回学術会議
大会長:伊東優(京都支部長・カウンセリングオフィスSHIPS代表)
大会基調講演
心理カウンセリングに活かす栄養精神医学
〜メンタルヘルスは食事から〜
奥平 智之(おくだいら ともゆき)先生
日本栄養精神医学研究会 会長/医療法人山口病院 副院長 (埼玉県)
プロフィール
精神科専門医、漢方専門医、認知症専門医。「メンタルヘルスは食事から」をモットーに、食事や栄養療法、漢方治療を重視した精神科治療を実践している。「隠れた栄養の問題」で健康を損なっている人が多いため、栄養の問題が原因のメンタル不調を「栄養型うつ」と命名し注意喚起をしている。中でも、貧血がないために見逃されている隠れ鉄欠乏の女性が多いことから、鉄欠乏の女性を「鉄欠乏女子(テケジョ)」と命名し、啓発活動を行っている。大学の東洋医学科(漢方)、都内栄養療法クリニックでの外来も担当。2016年に日本栄養精神医学研究会を発足。全国での講演や学会、著書などを通じ、「栄養精神医学」の大切さを啓発している。著書に『最新版 ココロの不調回復 食べてうつぬけ~鉄欠乏女子“テケジョ”を救え!~』(主婦の友社)など多数。

専門:栄養精神医学、東洋医学、認知症
資格・役割:精神科専門医、認知症専門医、漢方専門医、精神保健指定医(厚生労働省)、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会認定産業医、日本うつ病学会評議員・双極性障害委員会フェロー、日本スポーツ精神医学会理事、日本心身医学会代議員、日本未病学会評議員、食事栄養療法俱楽部代表、東京若手漢方医会会長、埼玉若手漢方医会会長、日本認知症ネットワーク代表、日本鍼灸師医師交流会会長、埼玉県立川越特別支援学校校医、埼玉県西部地区東洋医学研究会世話人、川越市医師会学術委員・認知症対策委員・医会幹事、企業の産業医など。
著書
「最新版 マンガでわかる ココロの不調回復 食べてうつぬけ~鉄欠乏女子(テケジョ)を救え!」(主婦の友社)
「血液栄養解析を活用!うつぬけ食事術~栄養型うつ~」(ベストセラーズ)
「鉄欠乏女子(テケジョ)救出ガイド」(主婦の友社)
「栄養型うつを治す!奥平式スープ」(エイ出版社)
「奥平式 うつよけ簡単レシピ」(宝島社)
「うつ・適応障害・双極性障害 最高の治し方大全」(文響社)
雑誌「精神看護」(医学書院):「栄養精神医学」連載 など
ホームページ https://www.dr-okudaira.com
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Twitter https://twitter.com/Okudaira_Tomo
Instagram https://www.instagram.com/tabete.utsunuke


メッセージ
「メンタルヘルスは食事から」。心理カウンセリングに活かせる栄養精神医学をテーマにお話いたします。メンタル不調者にしばしばみられる、憂うつ感、焦燥感、不安感、幻聴や妄想、認知の低下、注意散漫、落ち着きのなさなどの症状に、栄養の問題が影響を及ぼしていることがあります。実際の栄養精神医学における各種栄養のチェックリストの活用の仕方、血液検査の解釈、生活指導の仕方などについてわかりやすく解説いたします。
大会長メッセージ
ブリーフセラピーは、精神症状をはじめとする問題の維持要因として、個人の内的資質(知的能力や性格傾向等)よりも、個人と個人(集団・システム)間の相互作用・コミュニケーション要因に焦点を当てます。また、それぞれの要因の関係性を、因果関係ではなく、円環的な相互作用として理解し、相互作用の変化を促すことで問題の解決・解消を目指すという点が特徴的です。
栄養精神医学の観点をブリーフセラピーの理論的文脈で捉え直すと、それは栄養・食物と個人・生体システム(人体)との相互作用論として理解できます。物理的に摂取する栄養・食物/食行動も、人が影響を受ける情報のひとつです。
その情報がもつコンテンツよりもコンテクストに焦点を当てることもブリーフセラピーの特徴ではありますが、今回、栄養精神医学の観点から栄養・食物というコンテンツについての理解を深めることで、個人・生体システムそのものには元来あまり関心を払ってこなかったブリーフセラピーにとって、ひとつのリソースとしての臨床的および理論的示唆を得る貴重な機会になり得るのではないかと期待しております。
ワークショップ
対面ワークショップ
初学者から熟達者まで幅 広い層にブリーフセラピーの知識・技術を深めていただくために、5つの対面ワークショップ(WS)を実施いたします。